私は、長年うつと適応障害に悩まされてきました。社会人になった後その心労はピークに達し、仕事を休職することになったほどです。
ですが、長い投薬とリハビリ生活を経て復活し、今では仕事にも復帰して結婚し、二人の子供を授かるまで復活しています!
↓そのあたりの経緯はこちらの記事をご覧ください↓
【記録1年間分】抗うつ薬の離脱症状に耐え断薬を成功した経過と方法
しかし一番大切なのは、もう二度とうつにならないよう再発を防止するということです。
うつの再発を防止するために心がけることは人によってもちろん違いますが、その中でも私が重要だと考えるのは『考え方のクセを変える』ということです。
なぜなら、うつになりやすい人は知らずのうちに落ち込みやすい方向に行きやすいですし、うつになった人はその時にうつになった考え方があるわけです。よってこれらを変えていかないと、また同じ状況に陥る可能性があります。
ということで、この記事では私が実践しているか考え方のクセの変え方をご紹介します。
この記事を読めば、実際にうつを克服した人が考え方のクセをどう変えていって、その後の生活がどう変わって行ったのかわかります。
では行ってみましょう!
目次
【経験談】うつの再発を防ぐためには考え方のクセを変えよう
自分の経験から、うつの再発を防ぐためには考え方のクセを考えることが必要だと考えます。ちなみに、一般的に考え方を変える治療のことを『認知行動療法』と呼びます。
これはうつ病患者などに見られる認知の歪み=考え方のクセ、を変えていく治療のことです。専門のカウンセラーやお医者さんにしてもらう、れっきとした治療です。つまり、考え方のクセを変えていく方法は効果があると認められているわけです。
もちろん、これはしっかりとした治療として受けるものですし、すべての医療機関で受診ができるわけではありませんので、条件が整っていなかったり、時間がないなどの理由で全ての人が必ずその治療を受けられる状況にあるわけではないはずです。私もそうでした。
これは、立派な『セルフケア』の部類に入ります。
↓『セルフケア』の重要性を買いた記事はこちら。↓
うつ・適応障害を克服し、仕事にも復職した私が心がけている8つのセルフケア
では、私の考え方のクセの変え方をご紹介していきます。
『こうあるべき』という『べき思考』をやめる
まず一番大切にしてほしいアプローチです。それは、『こうあるべき』という『べき思考』をやめるということです。
人間、誰しも自分の中に『こうあるべきだ』という考えや理想があります。例えば、下記のような考え方ですね。
・男なんだから強くなければいけない。弱音を吐いてはいけない。
・専業主婦なんだから家事と育児を完璧にこなさねければいけない。
・リーダーなんだから常に周りの人間の手本にならなければいけない。
・高学歴なんだから、大手企業に勤めなければいけない。
これはほんの一例ですが、皆さんの中にも似たような『べき思考』があるのではないでしょうか。
うつになりやすい人は、このあたりの『べき思考』が強い傾向にあると言われています。私自身もこの『べき思考』が強烈にあったと自覚しています。
特に、幼少のころからこれらの『べき思考』が多くあり、それとのギャップが発生した際に強く悩む傾向がありました。
私が大きくうつのどん底まで落ちて行った時にも、これらのギャップに悩んだという部分が多いです。
仕事であれば、60%くらいの出来で良しとすることを心がけてみると良いと思います。70%までできたら最高!くらいに思っておきましょう!
ですので、自然と自分を縛っている『こうあるべき』という考え方。これをやめましょう。これから解放されれば随分楽になるはずですよ。
他人と自分を比べることをやめる
次は、他人と自分を比べることをやめるということです。これも、うつになりやすい人の特徴の一つで、自分と他人を比べようとする傾向があります。
しかも、自分と他人を比べて『自分が劣っている』と結論づけてしまうことが多いようです。これは、うつになりやすい人が真面目であったり、負けず嫌いであったり、頑張り屋だったりすることから出てくる特徴のように感じます。
私もそうでした。
よって、これらの自分と他人を比べる行為は終わりがないので、やめましょう。
職場での状況を例にとって、自分と他人を比べるということが意味のないことかちょっと考えてみましょう。
仕事を例にとると、まず担当している業務が違いますよね。そして、仕事をする本人の、仕事に対する心持ちも全然違います。
はたから見て、とても『仕事ができる』とうまく見えている人がいたとしましょう。そうだとしても、実際はどうだかわからないわけです。そんな相手に、自分を照らし合わせてネガティブになるのは意味がありません。
そしてそもそも他人は無限にいるので、比べ出したらキリがないですよね。
だから、職場で自分が劣っていると感じたとしてもそれは間違いです。人はぞれぞれ長さの違う物差しを持っているものですから、自分から見ている自分は『どうしようもない』と思ってしまっていたとしても、周りが同じ目で自分を見ているかと言ったら全く違うはずです。
ということで、自分と他人を比べることはやめましょう。比べるとしたら、過去の自分と比べる方が良いでしょう。どんな小さな一歩でもいいので、過去の自分よりなにか進歩していたら『良し』として、自分を褒めてあげましょう。
自分がコントロールできることだけに集中する
次は、自分がコントロールできることだけに集中するということです。
うつになりやすい人は、とにかく頭でいろんなことをごちゃごちゃ考えてしまいがちです。しかも、『全て完璧にこなさなければならない』と受け取りがちで、一人ですべてのことを解決しようとしてしまいます。
これに関しても、私は自分に関する全てのことを把握して解決しようと必死になっていました。
でも、その考え方もやめましょう。
この世のことなど、自分にコントロールできないことの方が多いわけです。それに対して、ああでもないこうでもないと考えを巡らしたところで、全くもって時間の問題ですし何も解決できません。それこそ心の消耗が進むだけです。
たとえば、下記のようなケースです。
・営業で担当しているお客様が競合サービスの格安価格の猛攻で失注してしまった。
・大地震が起きて自分の勤めている会社が倒産してしまった。
・家に帰ると奥さんの機嫌が猛烈に悪いけれど原因が全くわからない。
・いくら一生懸命教育しても子供が言うことを聞かない。
このようなことを、自分がどうにかしようとしても仕方ないわけです。そうと分かったら、自分が努力すれば前進できることに時間と労力を割きましょう。
ちなみに、この考え方は英語で言えば『Focus on what you can control』という感じになりまして、世界中でも実践されている方法だそうです。田端信太郎さんがYouTubeで解説されている動画がわかりやすいので載せておきます。
自分の大切にしている軸(価値観)を優先する
次は、自分の大切にしている軸(価値観)を優先するということです。
人間、誰しも自分の大切にしていることがあります。これをしている時は心地が良い、というようなことですね。
そういった軸(価値観)を優先した生活を送ると、自分の理想とのギャップが少なくストレスになりにくいです。
その際、同時に自分の直感を大切にすると良いです。つまり、『これはいいな』と『これは嫌だな』という最初の直感に従うということです。
私はひどいうつになる前、職場において非常にストレスな業務がありました。それは飲み会やイベントを企画運営する『レク係』です。
これは、職場の若手社員が強制的に参加させられる、職場横断のレクリエーションイベントを企画運営するという迷惑な営みでした。笑
私もこれに自分の意に反して召集させられていたのですが、うつになった後、これも地味に見えて非常にストレスな存在であったことに気づいたのです。わたしがうつから復職した後も、職場の方々は私にこの業務を割り振ろうとしたのですが、その時私は直感的に強い『嫌悪感』を感じたのでした。
よって、復職後はこの業務を拒否したのです。すると、それ以降私のストレスは激減しました。
このように、私が直感で感じていた『嫌だな』という気持ちを優先したところ、自分でも気付かなかったストレスがなくなり、精神状態が安定したのです。
なかなか自分の気持ちを表明するのは勇気がいるかもしれませんが、うつから復活したからには自分の大切にしている軸(価値観)を優先した生活をするために、一歩踏み出してみましょう!
小さな成功体験を積み重ねることを意識する
次は、小さな成功体験を積み重ねることを意識するということです。
『成功体験』と聞くと、なんだかすごいことを成し遂げなければいけないの!?と思うかもしれませんが、いえいえ、そういうわけではありません。
人にはそれぞれ、自分の試練への対処方法が色々あります。例えば、
・立ち向かう
・回避する
・うまくごまかす
・人に頼る
といった感じです。そうやって、どんなやり方でもいいから自分にとっての試練や壁を対処してみる。その『対処できた』という『経験』が、『ああ、俺何とかなるな!』という自信を持たせてくれるのです。
そういった、小さな成功体験を積み重ねることを意識してみてください。この『なんとかやっていける』と思える経験を積み重ねれば、自分に自信を持つこともできますし、自分の気持ちもコントロールできるようになっていくはずです。
自分も他人を助けているという自覚を持つ
最後は、自分も他人を助けているという自覚を持つということです。
うつになってしまったあなたは、きっとたくさんの人に迷惑をかけた、と思っている、はずです。もちろん、実際に家族をはじめ大切な人に心配をかけたり、職場の人に迷惑をかけたかもしれません。もっと広い視点から見ると、お医者さんにも助けてもらったりしたわけです。
とはいえ、うつに関わらず体調を崩したりするとこんな感じでやっぱり自分を責めてしまいますよね。特にうつになる人は真面目な人が多いので、自分は他人に迷惑をかけてばっかりだと思ってしまう傾向があります。
しかし、自分も自分がしてもらったことと同じように、実は誰か他人を助けているということを自覚してほしいんです。
うつになってしまったあなたは、自分では気づいていなかったり、忘れてしまったりしているくらい良いところを持っています。日々の生活の中で、あなたは知らず知らずのうちに誰かを助けています。だから、自分も誰かを助けているということを自覚して、自信を持つことを忘れないでください。
私も二人の子供の親になった今だからこそわかるのですが、親からしたら自分の子供が元気に毎日生きてくれているだけで、最大の幸せをもらっています。自分が生きているだけで、親がまず幸せになっているのです。
また、私がブログでこうやってうつの経験を発信していることも誰かを助けているということにつながっています。
自分もうつのどん底にいた時に、先人たちの残してくださったブログに助けられました。ブログでの発信は、うつの経験を発信するにはとても相性が良いと感じていますので、皆さんもどんなことでも良いので、ブログを始めてみることをおすすめします。
↓うつとブログの関係について書いた記事はこちら。↓
うつ経験者がうつ克服のためにブログを書く7つのメリットを紹介
まとめ
以上が、うつの再発を防ぐために私が実践している考え方のクセを直すために心がけていることです。
もちろんこれが正解ということではないですので、皆さんも自分と向き合いながら考え方のクセを見つけてみて、いままでとは違った観点から物事を考えてみることをおすすめします。
きっとうつの再発に怯えずにすむ、強い自分になれるはずです。
では、本日は以上です!